[ヨシヒコ1] カボイの村にて

ヨシヒコが住むカボイ村のとある鳥居で、村人が村の長オザルの前に集まって何やらざわついている。

オザル:「このままでは村の人間がすべてこの恐ろしい疫病に殺されてしまうだろう」

村人はざわめく。

オザル:「幻の薬草を求めて半年前に旅だった勇者テルヒコは未だ戻らぬ。我々には次なる勇者が必要だ」

村人:「そうだ!そうだ!」
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オザル:「今ここに岩に突き刺さったまま、何者にも抜く事が出来ぬ剣がある。いにしえの言い伝えによれば、この剣を岩より抜きし者が真の勇者!我こそは勇者と思うもの、前に出よ!」

群衆の後方でそれを見ていたヨシヒコは・・・・

ヨシヒコ:「よし 俺も行こう!」
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ヨシヒコの言葉を聞いた隣の妹ヒサは・・・・

ヒサ:「やめてください!兄様。 兄様に争いごとは向きません」

ヨシヒコ: 「向くも向かないも無い。村が苦しんでいるんだ」

ヒサ:「でも兄様は少しおっちょこちょいだし、戦いでは一つのおっちょこちょいが命を落とすのですよ」

ヨシヒコ:「おっちょこちょいおっちょこちょい言うな! 村の男たちは皆やる気だ」

ヒサ:「嘘です。みんな行きたくないと言ってました」

ヨシヒコ:「そんなわけ無いだろ!」

ヒサの制止を振り切り前に出るヨシヒコ。

この時数人が剣を抜き取る事に失敗し、村の長オザルは落胆しきっていた。

ほどなく名乗り出るヨシヒコへ、半ばあきらめた口調でオザルは「抜くが良い・・・」とつぶやく。

ヨシヒコが不安気に剣の前に立ち、おもむろに剣に手をかけるその途端・・・・!

なんとヨシヒコが剣に手をかける前に、勝手に剣が岩から抜け落ちた。

今まで挑戦した男らが一生懸命抜こうとした余波で、剣はすでに抜け落ち寸前だったようだが、

それを見たオザルは、ヨシヒコが真の勇者と確信してしまった。

状況に押され恐る恐るオザルに近づきながらも、オザルの言葉と村人の歓声に流され、

それでも「まっいいか」ってな感じでだんだんやる気になっていく恐るべしヨシヒコ。

オザル:「勇者ヨシヒコよーーー!我がカボイの村の為、旅立つが良いーーーーーっ!」

村人:歓声

ヨシヒコ:少し困惑しつつも、「・・・・勇者です!・・・私が勇者ヨシヒコです!」

村人:歓声

ヨシヒコ:調子に乗って剣を高く突き上げる
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[ヨシヒコ1] オザルの家にて

オザルは細長い棒を持って占いっぽい事をやっている。

村人がそれを厳かに見守っている。

ヨシヒコは目を閉じ、己の旅立つ方向を占うオザルに集中している様子。
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オザル: — 踊りながら —- 「あっちこっちそっちどっち あっちこっちそっちどっち あっちこっちそっちどっち」

俄に冗談のような呪文で占うオザルに対し、不安になった村人の一人が、

村人:「・・・オ・オザル様?オザル様どうなされた?」

と話かけると、

ヨシヒコ:「お静かに。 オザルじいは今私が向かうべき方角を占ってくださっております」

その時、神からのお告げを聞いたかのようなアホらしいしぐさで天を仰ぎオザルが叫んだ!

オザル:「うぉあああああああああ!」

村人:驚きと期待で歓声

オザル:「・・・・南東(なんとう)・・・・」

オザルは適当な方向を向き、そっちへ手を差し伸べてニヤリと笑うと・・・・

オザル:「・・・・な~んかこっちの方」

ファンファーレが鳴り響くやいなや、ヨシヒコがオザルに向かい深々とお辞儀をする。

ヨシヒコ:「ありがとうござりまする」

ヨシヒコはオザルの冗談のような結構いい加減な占いにも疑う事なく旅の準備につく。

 


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[ヨシヒコ1] 勇者の旅立ち

ヨシヒコが外に現れた。

ヨシヒコ「馬を引け~い!」

ヒヒーンと馬の鳴き声だけで、馬は見えない(恐らく経費削減で音だけ)

ヨシヒコ:「はいや~っ!」

ヨシヒコの上半身しか映らずあたかも馬に乗っているかのように体が上下左右に動く。

そこへ妹のヒサが追いかけてきた。

ヒサ:「兄様っ!本当に行かれるのですか?」
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ヨシヒコ:「もともと私が行く運命なのだ。先に立ったテルヒコは私達の父。私が救うのが当然・・・」

ヒサ:「でも!これで兄様がいなくなったらヒサは一人きりになってしまいます」

ヨシヒコ:「待っているがよい。ヒサ。私は必ず戻ってくる」

ヒサ:「兄様。信じてよろしいのですね」

ヨシヒコ「ああ」 「はいやーっ!」 パカランパカラン

ヨシヒコを乗せた馬が走り去る音だけで姿がすでに消えている。

ヒサ:「兄様・・・ 行ってしまわれた・・・」

— 1話その①終わり ・・・・ 1話その②に続く —

 


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