[ヨシヒコ1] ムラサキ登場

何の因果か、荒くれ長話し戦士の”ダンジョー”と一夜を過ごし、仕方なくダンジョーと共にヨシヒコが旅立った明くる日の山中・・・・

ダンジョー:「ヨシヒコ。そろそろ一休みしよう。 足がパンパンだぁ」

ヨシヒコ:「そうですね。 はあはあ 休みましょう」

その時山林の合間から激しい殺意と共に小さな閃光がヨシヒコに襲いかかった。

その殺気にいち早く気づいたダンジョーが、

ダンジョー:「何者っ!」と叫ぶやいなや。

何者かがヨシヒコめがけ、矢継ぎ早に小刻みに切りかけて来た。

「死ねーーーっ!」

ヨシヒコは辛くも一刀を避けた。

なんとヨシヒコに切りかかっているのは女である。

しかも肩に小鳥をのせている。 激しい動きにも小鳥は微動だにしない。

女は盲滅法にヨシヒコへ斬りかかるが、ヨシヒコも都度都度かわす。

ダンジョーが手をこまねきながら、

ダンジョー:「斬れ!ヨシヒコ!」

ヨシヒコ:「いえ。女は斬れません」

ダンジョー:「甘いぞ!」

ヨシヒコ:「出来れば女も斬りたくありません」

ダンジョー:「いいから斬れ!お前の剣はいざないの剣。斬っても死にはせん。眠るだけだ!」

ヨシヒコ:「それは本当ですか!」

話している間にも、女は間髪入れずに短剣をヨシヒコに振りかざしてくる。

ダンジョー:「本当だ!平和の神が与えると言う伝説の剣だ!」

ダンジョーの言葉を聞いたが直ぐに、

ヨシヒコ:「信じます!」と言うのと同時・・・ ズバッ! 女を袈裟懸けに斬った!

女:「うはっ!」

女は後ろにいたダンジョーに支えられるように首と膝だけが崩れる。

どうやらヨシヒコのいざないの剣で女は斬られたようだ。

 


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[ヨシヒコ1] 人相書き

ヨシヒコ:「今の話本当でしょうね」

ダンジョー:「本当だ・・・。 多分・・・」

ヨシヒコ:「多分ってなんですか?」

ダンジョー:「いやっ!絶対本当だ!・・・・多分・・・絶対だ」 曖昧である。

ヨシヒコ:「どっちですか?」

ヨシヒコは、ダンジョーの返事に、もしかしたら殺してしまったのではないかと言う恐怖に包まれた。

シーンは音楽と共に山の風景に変わり、再度画面が変わると、うっすらとヨシヒコの顔がボヤーっと映る場面から・・・・

どうも先ほど斬られた女の目線・・・・

女が目を開けると、そこには心配そうに女を見つめるヨシヒコとダンジョーの顔。

女:「父の仇っ~!」 またもやヨシヒコに斬りかかる。

ダンジョー:「そら見ろ。本当だっただろう」

女は痛みが完全に癒えておらずそのまま再び倒れこんだ。

女:「はぁはぁはぁー・・はぁはぁ」

ヨシヒコ:「そなた。私を父の仇と言っていたがどう言うことだ」

ゆっくりと体を起こしながら下からヨシヒコを睨みながら、
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出展 youtube.com/

女:「我が名はムラサキ。父ヤシマルはお前に殺されたのだ!」

ヨシヒコ:「私は自分の村を出たことも無いし、人を殺めたことなど一度も無い」

ムラサキ:「往生際が悪いぞ!ここで会ったが百年目。その首、家族の元に持ち帰る!」

ダンジョー:「ああ・・・ムラサキとやら。ヨシヒコを仇と思う根拠はなんだ」

ムラサキは殺気立っているはずなのに、おもむろに剣を鞘にしまい、何やら描かれたA4縦のコピー用紙を差し出した。

ムラサキ:「これぞ動かぬ証拠。父が殺された場にいた男が描いた似顔絵!見ろ!」
似顔絵
出展 http://www.tv-tokyo.co.jp/

そこには極細マジックかボールペンなどで描かれた似顔絵だった。

めっちゃ下手くそで似ているかどうかの算段ではない。

ヨシヒコ:「ん?んんん?」 戸惑うヨシヒコ。

ダンジョー:「・・・・・どうだ? これ」 ダンジョーは似顔絵とヨシヒコの顔を照らしあわせて見る。
似顔絵1
出展 http://www.tv-tokyo.co.jp/

ヨシヒコ:「わ・・わたしですかね?」 とヨシヒコも気になる様子。

ヨシヒコもダンジョーも判断どころではないと言った困惑の表情。

ムラサキ:「そっくりだ!」

ダンジョー:「もう少し上手いやつに描いて貰えば良かったのではないか」

ムラサキ:「その男が村で一番うまい」

ダンジョー:「スゴイ村だな」

ヨシヒコ:「見ようによっては私ですかね?」

ダンジョー:「どう見たんだ?」

ムラサキ:「そっくりだ!」

ダンジョー:「これでは何ともなぁ~」

ムラサキ:「クリソツだ!」

ダンジョー:「他に何か伝えられた手がかりはあるか?」

ムラサキ:「割りと目がパッチリとしていると・・・」

ダンジョー「他には?」

ムラサキ:「それだけだ」

ヨシヒコ:「割りと目がパッチリとしている男は何気にたくさんいるぞ。 パッチリならともかく、割りととなると凄くたくさんいる。それをすべて殺してまわるのは大変なことだ。」

驚き落胆した様子のムラサキは後ずさりしながら座り込んだ。

ムラサキ:「・・・・どれもこれも人違い人違い・・・・。いったい私は誰を殺せば良いんだ・・・」 すすり泣き。

ヨシヒコ:「どうだそなた。私達の仲間にならないか?ずっとそばにいて、私が父の仇と確信することがあれば、その時は私を殺せばいい」

ダンジョー:「ヨシヒコ。お人好しもいい加減にするんだ」

ヨシヒコ:「私も父を救う為に旅をしている。そなたと同じだ。どうだ。私についてこんか」

ムラサキ:「私の感がお前だと言っている」

結局感のようだ。

ヨシヒコ:「その感が確信に変わればいつでも斬れ」

表情が前のように強気に戻ったムラサキは、立ち上がるなり、

ムラサキ:「そうさせてもらおう。 これから安心して眠れぬぞ」

ヨシヒコ:「覚悟の上だ」

ダンジョー:「よーし、日が暮れる前に森を抜けよう」

3人になった一行は森を抜けるべく歩き出した。
 
— 1話その③終わり ・・・・ 1話その④に続く —
 


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