[ヨシヒコ1] ヨシヒコの親父

—– 勇ましい音楽 ——

メレブも加わり、長旅をあらためて誓い合う4人は霧の晴れた道中を意気揚々と歩いていた。

ヨシヒコ:「霧晴れましたね」

メレブ:「晴れるもんだね」

男:「お・・・ヨシヒコ!」

ヨシヒコらが歩く道の脇から、ヨシヒコを呼ぶ男がいた。

男:「ヨシヒコじゃねぇかぁ!」

ムラサキ:「誰ー?」

ヨシヒコが怪訝な表情で振り向く・・・・・

—– 勇ましい音楽 ピタっと終了——

ヨシヒコ:「父上!」

3人:「えええええええーーー?!」

父テルヒコ:「どしたんお前こんなとこで?」 と言いながら立ち上がる。

驚くヨシヒコは震えながら父に近づく・・・・

ヨシヒコ:「父上こそ薬草を取りに行って半年・・・・・・」

父テルヒコ:「行った行った・・・・・幻の薬草なぁ」

ヨシヒコ:「いかがされたのですか?志半ばでやむなく戻られたのですか?」

父テルヒコは首を横に2,3度ふりながら・・・・

父テルヒコ:「ううん。あったあった」

ムラサキ・メレブ:「ええええ!」

父テルヒコ:「めちゃくちゃたくさん取って来たよ」と後ろにあるカゴいっぱいの薬草を指差す。

ヨシヒコ:「ではなぜ村に戻らずに・・・・」

言いにくそうに・・・・・

父テルヒコ: 「ああ・・・・それがさ・・・・・」

父テルヒコは自分のそばから女性と女の子を呼び、横に並んだ。

父テルヒコ:「つきあってます」
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出展 youtube.com/

メレブ:「え!」

女性の横にいる女の子を促し・・・

父テルヒコ:「これ、連れ子でさ・・・・名前をいいなさい」

女の子:「アイリンです」

父テルヒコ:「でもって、これがこれなんです」 と妊娠のしぐさ。

父テルヒコ照れ笑い。

父テルヒコ:「帰りづらくなっちゃってさー」

ヨシヒコ:「・・・・・・」

しばらくして、父テルヒコ何かに気づいたように・・・

父テルヒコ:「あ!そうだ!お前が持って帰れ。薬草」

ヨシヒコに薬草がたんまり入った重そうなカゴを手渡そうとする。

父テルヒコ:「疫病ぴたっと治るわ、これ・・・な!」

ヨシヒコ:「・・・・・・」

ヨシヒコへカゴを手渡しながら、ヨシヒコの背後にいる仲間に気づく・・・・

父テルヒコ:「あ、皆様旅のお仲間・・・・」

ダンジョー:「・・・・はあ」

父テルヒコ照れくさそうに・・・・

父テルヒコ:「ヨシヒコがお世話になってまーす。父でえーす」

3人、父テルヒコに軽くお辞儀

父テルヒコ、一度空を仰いでヨシヒコに向き直る・・・・

父テルヒコ:「ヒサ、元気?」

ヨシヒコ:「・・・・あ・・はい・・・」

父テルヒコ安心した様子で・・・

父テルヒコ:「・・・うん・・・うんうん」 もう一度空を仰ぐ。

父テルヒコ:「ごめんなぁヨシヒコ。もう、この世に父はいないと思ってくれていいから・・・・じゃあ」

ヨシヒコ困惑するも、言葉が見つからない様子・・・・・

父テルヒコは、女とその連れ子を連れて去っていく・・・・

父テルヒコ:「小さな幸せ掴もうな」

どこからとも無く虚しく鳥が無く・・・・「ギャー! ギャー!」

4人:「・・・・・・」

4人:「・・・・・・」

4人:「・・・・・・」

ダンジョー:「おやおや?・・・・と言う事は?・・・・旅、終了?」

ヨシヒコ:「・・・・そ・う・ですね」

メレブ:「・・・そう・・・え?・・・じゃ?・・・解散?」

ヨシヒコ:「・・・・そうですね」

メレブ:「おーー・・・えええ・・・お・すげぇ・・・」

ヨシヒコ:「なんかすみません。こんなにも早く願いが叶うとは・・・」

メレブ:「いいのいいの・・・願いはね・・・早く叶う方が・・・あれだから」

4人:「・・・・・・」

ダンジョー:「・・・じゃ、ま、お疲れ!」

ヨシヒコ:「おつかれす」

メレブ:「おつかれす」

ダンジョー立ち去る

メレブダンジョーとは逆の方角へ向きながらヨシヒコへ・・・

メレブ:「・・・あ・・今度良かったら・・・飯でも・・・」

ヨシヒコ:「・・・ああ、そうですね・・・」

メレブ:「家飲みとかしよう」

メレブは軽く手を上げると立ち去った。

ムラサキ:「なにこれ」 といい、少しずつダンジョーのあとを続く。

ヨシヒコは、薬草の詰まった重そうなカゴを、何とか担ごうとする。

 


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[ヨシヒコ1] 仏からの使命

天から眩しい光のシャワーとともに、なにやら響く声で・・・

「ヨシヒコーーーー!」

全員が声の主を探す。

ダンジョー:「・・・な!んだこの声は?」と言いヨシヒコの元へ駆け寄る。

メレブもムラサキもヨシヒコの元へ戻る。

「ヨシヒコーーーー!」 またしてもどこからか同じ声でヨシヒコを呼ぶ。

ダンジョー:「あれは・・・」

メレブ:「仏様?」

仏:「ヨシヒコよ。よく聞くのだ」
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ムラサキ:「ヨシヒコ。仏様に返事しなよ」

ヨシヒコには見えない様子

ヨシヒコ:「え?全然見えないです。何も」

仏:「ヨシヒコよ。お前の使命は、父上を探すことでもなく、やく・・・・おいおいどっちみてんだヨシヒコ」

キョロキョロするヨシヒコにダンジョーが・・・・

ダンジョー:「ほら!・・・あそこだ・・・あそこ!」

仏:「え?待って待って・・・え・・・なになに・・・・ちょまって」

仏:「私の事が見えないの?」

メレブ:「なんで(笑)・・・あんなはっきり見えるよ」

ダンジョー:「うんうん」

ヨシヒコ:「・・・・すいません」

仏:「おい!・・・おい!・・・おーーーい!」

仏:「なに・・・私の事・・・なに・・・見えないの・・・おーーい主人公に見えないなんて、喋ったってしょうがないじゃないよーー!」

メレブ笑いながら、懐から3Dメガネをヨシヒコへ手渡す。

メレブ:「ちょっと・・これかけてみろよ・・かけてみかけてみ」

ヨシヒコはメレブからもらった3Dメガネを慌ててかける。

ヨシヒコ:「うわーー!見える!仏様だ!」
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仏:「お!お!見えた?いいじゃんいいじゃん!」

仏:「んじゃお告げいくよ!」

ヨシヒコ:「うわはーーー!すごい飛び出して見える!」

仏:「い・いや別に飛び出して見える必要は無いんだけどね」

ヨシヒコ:「か・顔がおおきい・・」

仏:「お前なんで真顔で言うの?それ」

仏:「ねえ・・そりゃ大きいよ確かに大きいけれども、俺よく言われるのが・・・体の割には顔がデカイってのはねってほっとけよ! 仏だけにほっとけよ!」

4人:「・・・・・・・」

仏:「はいじゃあいい?お告げいくよ。はい・・はい」

仏は急に厳しい表情になる・・・

仏:「ヨシヒコよ、いざないの剣を手にしたお前の使命は・・・・外界に降り立った魔王を倒すことだ」

ヨシヒコ:「魔王?」

仏:「彼はかつて外界に降りて地中深くに眠ったが。今、その眠りを解き、地上に現れた。疫病は彼に仕業なのだ。彼は人々の・・・心・・・を・・操り・・外界を・・が・・を・・我が物に・・・あのーしようと・・・している。(咳払い)」

仏:「・・・・・・・・・・ねっ」

仏:「・・・ええ・・・魔王の手によって・・あのー(咳払い)」

仏:「人々は・・・あれを宿しあれあれ・・・・あのーあれあのー邪悪な気を宿し・・・魔物が・・・はこべる はこべるってなに!(笑)はこべるってなんだよ!(笑)はびこる・・・えええ」

仏:「ううう・・・え・・・あ・・・魔王の手から・・・・外界を救うのだ!」

仏:「それがお前に使命で!」「使命でってなんだよ!(笑)」「使命でってなんだよ!(笑)」

4人:「・・・・・・・」

ヨシヒコはおもむろに3Dメガネを外してメレブに返す。

ヨシヒコ:「・・・と言う事です」

ダンジョー:「なーーーるほど」

ダンジョー:「やはり長い旅は続くと言う事だな」

メレブ:「そのようだな」

ムラサキ:「なーんか面倒くさ!」

ヨシヒコ:「・・・・共に行ってくださるか?」

他の3人は静かにうなずく。

ヨシヒコ:「行きましょう」

4人は再び長く困難な旅路につくのだった。

4人が過ぎ去ると、彼らの後方にある木陰から何やら見つめる人影・・・・・

ヨシヒコの妹”ヒサ”であった。
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ヒサは不安気な表情で・・・・

ヒサ:「・・・兄様・・・・ヒサは心配です」
 

— 1話その⑥終わり ・・・・ 2話その①に続く —
 


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